Guidelines for Article Reviewers
査読者ガイドライン
F1000Researchの査読モデル
F1000Researchは、論文出版後、正式に招聘された査読者による査読を行っています。これは完全にオープンで透明性があり、著者主導で行われます。査読者は通常、特定の査読者基準に従って著者により推薦されます 。査読レポートは、提出されるとすぐに、査読者のフルネームおよび所属とともに公開されます。PubMedやScopusなどの文献データベースのサイトに論文がインデックスされている場合は、各サイトでも同様に査読レポートが公開されます。査読後に査読者が選択した承認ステータスに応じて、論文が文献データーベースにインデックスされるかどうかが決まります。
論文の査読者として招聘され、F1000Researchの査読モデルの詳細を知りたい方は、How it Worksページをご覧ください。
論文投稿
出版&データデポジット
オープン査読&ユーザからのコメント投稿
論文改訂
領域と論文の適格性
F1000ResearchのJapan Institutional Gatewayは、科学のすべての分野の英語論文に加え、社会科学と人文科学の日本語論文を出版しています。査読者は、新規性や関心のレベルではなく、論文の科学的妥当性を評価するように求められます。すべての論文と査読レポートは、CC-BYライセンスの下でオープンアクセス出版されています。 F1000Researchにはオープンデータポリシーがあります。オリジナルの研究結果に関する論文では、基となるソースデータと、それらの処理に使用されるソフトウェアの詳細をあわせて利用できるようにする必要があります。
招聘査読者によるオープン査読プロセスは、論文の出版後に行われます。論文は出版前に、社内の編集チームによるチェックを受けて、基本的な基準を満たしていることが確認されます。出版前のチェックには次のものが含まれます:
- 著者の出版資格- 少なくとも1人の著者が筑波大学に所属しているか。また、学生は指導教官と共著で論文を執筆しているか。
- 論文種別(Article Types) - 論文が特定の論文種別の基準と形式 を満たしているか。
- 読みやすさ - 出版前に校閲を行わないため、読者が論文の内容を理解できるよう、言語と読みやすさの水準が十分であるか。
- 剽窃(Plagiarism) - 盗用等の剽窃がないか。
- Methodsセクション - 研究を評価するに十分な研究手法とリソースの詳細が書かれているか(研究内容の再現性のため追加の情報が必要かどうかについて、分野のエキスパートである査読者にコメントを求めることがあります)。
- ポリシー - ヒトまたは動物に関する研究論文については、当社の倫理ポリシーに準拠しているか。
- データ - 研究結果の基礎となるソースデータ へのアクセスが可能か(研究内容の再現性のためにソースデータが適切かどうかについて、分野のエキスパートである査読者にコメントを求めることがあります) 。
査読者の適格性
査読者は、著者の推薦に基づいて選ばれ、編集チームが査読者の基準を満たしていることを確認します。著者には、自分の研究分野のエキスパートである研究者を推薦することをお勧めします。論文に多くの統計分析や新しい統計手法が含まれている場合は、これらの分野の知識に基づいて査読者が選択されます。
私たちは査読者の協力に深く感謝しています。査読は科学コミュニティにとってかけがえのない貢献であるため、査読者が査読に費やした時間と労力が認識されることが重要であると考えています。こちらもご覧ください。
査読者の行動規範
査読プロセスは学術出版の重要な要素であり、査読者が時間と労力を費やし査読に貢献していることに深く感謝しています。 F1000Researchでの査読が著者、読者、またその他の査読者にとって建設的で有益なものであるよう、査読者に次のことをお願いします:
- 論文を完全に読む-論文の全文を読み、関連するすべての図表およびデータを確認してください。
- 綿密に-査読レポートでは、論文全体と個々のポイントについて考察し、論文に対する理解を示してください。
- 具体的に-指摘に対して著者が十分な対応をできるよう、コメントは可能な限り詳細に記述し、必要に応じて参照文献を含めてください。
- 批評は建設的に-査読に懸念や批評を含めることを躊躇しないでください。ただし、建設的かつ丁寧にコメントしてください。
- 侮辱的なコメントや口調を避ける-査読される側の立場になって査読してください。コメントは科学的内容にフォーカスし、著者自身に関するコメントは避けてください。
また査読に際しては、出版倫理委員会(COPE, Committee on Publication Ethics)の倫理ガイドラインに精通することをお勧めします。査読が上記の基準を満たしていないことが懸念される場合は、査読レポートを公開する前に編集チームが査読者に連絡します。
査読ガイドライン
F1000Researchより出版された論文の査読に同意すると、論文へのリンク、査読期日、および査読レポートの提出方法 が記載された電子メールが届きます。すでにアカウントをお持ちの場合は、マイページにもリクエストが表示されます。
利益相反 のおそれがある場合、査読者資格を確認するため、査読レポート作成前にご連絡ください。査読レポートを提出する際には、利益相反の申告をあわせて行っていただき、査読レポートと一緒に公開します。
承認状況
査読者に承認ステータスを選択してもらいます。承認ステータスは、論文に対するあなたの考えを読者が一目で確認できるようにし、また論文がPubMedやScopusなどの文献データベースにインデックスされているかどうかを判断する助けとなります。評価は、論文の新規性や重要性ではなく、論文が科学的に有効であるかどうかに基づいて行う必要があることに注意してください。
選択できる承認ステータスは次のとおりです:
- Approved (承認): 変更不要、またはわずかな変更のみが必要。オリジナル・リサーチの場合、制御と手法を含む実験計画が適切であり、結果は正確に示され、結論は妥当であり、データによって裏付けられることを意味します。
- Approved with Reservations (条件付き承認): 査読者は論文の学術的価値を認めるが、論文にいくつかの小さな変更、または特定の変更、場合によってはより大幅な改訂を指示したことを意味します。
- Not Approved (承認されず): 論文の質が非常に低く、調査結果と結論を著しく損なう根本的な欠陥が論文にあることを意味します。
レビューを書く
査読者には、論文に対する建設的な批評や改善のための提案などの論文の評価を反映した査読レポートを求めます。査読レポートは良く練られたものであるべきです。さらに詳しい説明が必要な場合は、編集チームから連絡をする場合があります。査読レポートフォームには、査読の際に焦点をあてるべきセクションがわかるよういくつかの質問 も含まれています。これらの質問への回答は必須であり、査読する論文種別によって異なります。査読レポート、承認ステータス、査読者のフルネームと所属は、論文と一緒に公開されます。査読者がレポートを送信する際、利益相反 の申告を求め、査読レポートに表示して公開します。
また特に、出版論文リストやプロフィールからは査読者の知識や経験をすぐ判断できない分野については、専門知識の説明を査読者に求めることがあります。過度かつ不適切に査読者の執筆論文の追加引用を求めることは行わないでください。
査読者には、Open Science Peer Review Oathの原則に従うことをお勧めします。また、査読者向けの基本原則の概要を示す出版倫理委員会(COPE)の査読者向けのガイドラインも参照してください。
F1000Researchの査読レポートを作成するためのヒントや公開されている査読レポートを盛り込んだ、査読レポートを作成するためのサンプルとヒント集をご覧ください。査読論文について盗用や画像改ざんなどの出版または研究の不正行為の申し立てをしたい場合は、査読チーム(research@f1000.com)に連絡してください。
査読レポートの提出方法
査読レポートを提出するには、査読に同意した際に届いた電子メール内のリンクをクリックするか、Peer Reviewingページにアクセスします(このページに、査読中の論文、下書き中の査読レポート、すでに公開された査読レポートの記録があります)。 ‘Invited Reports’タブに移動し、“Yes, I agree to be a reviewer for this article”をクリックして査読に同意し、“Write your report”をクリックします。次に、査読レポートを作成し(必要に応じて下書きを保存し)プレビューして送信します。
査読チームから査読者に問い合わせる点が無い限り、査読レポートは提出後すぐに論文と一緒に公開されます。公開後、アクセス方法をお知らせします。
査読プロセス
査読の進行
査読レポートが公開されると、論文の査読ステータスが変わります。査読の進行状況は各論文に明確に記されており、Citation(引用形式)の一部となります。
出版されるとすぐ、査読者が査読を行っている間、論文には‘Awaiting peer review’(査読待ち)というラベルがつきます。これは論文タイトルに付加され、論文HTMLおよびPDF内のOpen Peer Reviewサマリーボックスに表示されます。査読レポート提出後はすぐに論文と一緒に公開され、承認レートが表示されます。追加の査読レポートを受け取ると査読ステータスが更新されます。すべての論文は出版されたままで、査読ステータスに関係なくF1000Researchより利用できます。
論文が2つの‘Approved’(承認) ステータスまたは2つの‘Approved with Reservations’(条件付き承認)ステータスと1つの‘Approved’(承認)ステータスを受け取ると、PubMedおよびその他の文献データベースにインデックスされます。論文のすべてのバージョンは、関連するデータセットと査読レポートとともに、PubMed Centralにデポジットされます。
論文の改訂
査読プロセスのどの時点でも、著者は査読者のコメントに応じて論文を改訂することができます。改訂されると新しいバージョンが出版され、元の査読者が再査読を依頼されます。査読者は改訂点を考慮し、更新された査読レポートを公開できます。
誰でも論文の履歴を見ることができるように、論文のすべてのバージョンとすべての査読レポートは出版されたままとなります。以前に査読した論文について、改訂稿に対するフィードバックを提供するために査読レポートを更新することは非常に重要です。これにより、著者と読者は、懸念事項が十分に対処されたかどうかを確認することができます。